Wakutsu Intelligence Engine — Market Watch

Japan's Market Inefficiencies, Tracked.

Wakutsu & Co.が着目する日本市場の非効率(事業承継、上場維持基準未達、資本効率の低さ、休眠特許など)について、公的統計・市場データをもとに定期的に更新するページです。個別のご相談ではなく、市場全体の構造変化を継続的に追うことを目的としています。

最終更新:2026年7月29日

By the Numbers

Four Structural Opportunities.

01 — Business Succession

事業承継

50.1%
全国の後継者不在率(2025年、7年連続で改善)
出典:帝国データバンク「全国『後継者不在率』動向調査」(2025年11月)
83.2%
経営者が30代未満の企業に限ると、後継者不在率はさらに上昇
出典:帝国データバンク「全国『後継者不在率』動向調査」(2025年11月)
36.1%
後継者候補の属性で「内部昇格」が「同族承継」(32.3%)を初めて逆転
出典:帝国データバンク「全国『後継者不在率』動向調査」(2025年11月)

改善傾向にあるとはいえ、依然として2社に1社が後継者未定です。承継の形自体が「同族」から「第三者・内部昇格」へ構造的にシフトしており、引き受け手のニーズは変わらず高い水準にあります。

02 — Distressed Listed Companies

上場維持基準未達

109社
2026年2月時点で「改善期間」中の上場会社数(プライム28社・スタンダード52社・グロース29社)
出典:日本取引所グループ(JPX)
25社
2026年3月末の改善期間終了時点で「監理銘柄」に指定。基準未達が続けば2026年10月にも上場廃止の可能性
出典:Bloomberg、日本取引所グループ(JPX)
恒久ルール
上場維持基準は経過措置ではなく恒久的な制度のため、対象企業は今後も継続的に生まれ続ける
出典:日本取引所グループ(JPX)

2025年3月の経過措置終了時点で259社あった対象企業は、2026年2月時点で109社まで絞り込まれました。改善できなかった企業は監理銘柄・上場廃止へと進み、資本提携や事業統合による解決を必要とする局面に入っています。

03 — Capital Inefficiency

PBR1倍割れ

44% / 59%
PBR(株価純資産倍率)1倍割れ企業の割合(2025年7月時点、プライム市場/スタンダード市場)
出典:東京証券取引所公表資料に基づく報道各社集計(集計対象・算出時点は報道元により異なる場合があります)
約1割強
プライム上場企業のうち、資本効率の改善策について「検討中」の開示すら行っていない企業の割合(約200社前後)
出典:東京証券取引所公表資料に基づく報道各社集計(集計対象・算出時点は報道元により異なる場合があります)

東証による資本コスト・株価を意識した経営の要請から2年以上が経過しましたが、割安に据え置かれたままの企業は依然として多く残っています。改善に動けない企業ほど、外部からの資本提携・非公開化提案を必要としています。

04 — Going-Private Surge

非公開化(MBO)の急増

30件
2025年の上場企業によるMBO件数。前年比7割増で過去最多を記録
出典:大和総研「直近のMBOによる株式非公開化トレンド」(2026年1月)
112件
2025年に公表された、上場廃止を前提としたTOB・MBOの合計件数。過去最高水準
出典:報道機関各社の集計に基づく

東証改革やアクティビスト対応、資本効率改善要請を背景に、上場を維持するコストが便益を上回った企業が非公開化を選ぶ動きが加速しています。上場維持基準未達企業にとっても、有力な出口の一つとなっています。

※本ページの統計は、各出典元が公表した時点のデータに基づく参考情報です。最新の数値は各機関の公表資料をご確認ください。内容は定期的に更新を行っています。
Screening Spotlight

PBR0.5倍以下 × 時価総額150億円未満 Watchlist.

東証プライム・スタンダード・グロースおよび地方市場全体で、PBR(株価純資産倍率)0.5倍以下かつ時価総額150億円未満に該当する企業は231社(2026年7月30日時点)。資本効率改善の要請が続く中でも、解散価値を大きく下回る株価に据え置かれたままの中小型株が数多く存在します。以下はPBRが低い順の上位20社です。

コード銘柄市場株価時価総額PBR
8559豊和銀476円28.2億円0.10倍
7161じもとHD東S505円135.5億円0.15倍
7898ウッドワン東S895円88.0億円0.19倍
5491日金属東S899円60.2億円0.20倍
7215ファルテック東S421円39.4億円0.20倍
6619WSCOPE東P141円85.4億円0.20倍
7212エフテック東S673円125.9億円0.21倍
7214GMB東S1,032円55.1億円0.24倍
5446北越メ東S1,089円43.4億円0.24倍
5386鶴弥380円29.5億円0.24倍
8416高知銀東S1,101円112.7億円0.24倍
8554南日銀1,417円110.0億円0.24倍
7291日本プラスト東S481円93.3億円0.24倍
3600フジックス東S1,708円25.0億円0.25倍
7822永大産業東S238円111.3億円0.26倍
7702JMS東S453円112.0億円0.26倍
8560宮崎太銀2,360円126.0億円0.27倍
5603虹技東S1,300円43.7億円0.28倍
5380新東東S1,107円9.2億円0.28倍
6467ニチダイ東S329円29.7億円0.28倍
※本リストはみんかぶの銘柄スクリーニング(条件検索:PBR0.5倍以下・時価総額150億円未満、2026年7月30日時点)の集計結果に基づく参考情報です。株価は日々変動するため、該当企業・順位・PBR値は変わります。個別銘柄への投資判断・売買を推奨するものではなく、投資に関する最終判断はご自身の責任で行ってください。最新のスクリーニング結果は証券会社・情報サービスのツールで直接ご確認ください。
Recent Updates

Market Timeline.

2026.07
PBR0.5倍以下・時価総額150億円未満の上場企業、231社に
解散価値の半分以下で放置された中小型株が、市場全体で依然として多く残存。地方銀行・部品加工・建材関連が目立つ。出典:みんかぶ銘柄スクリーニング(2026年7月30日時点)
2026.03
東証、上場維持基準未達企業25社が監理銘柄入り
改善期間(1年)が終了し、基準を回復できなかった企業が監理銘柄に指定。改善が見られなければ2026年10月にも上場廃止の可能性。出典:Bloomberg
2026.02
上場維持基準「改善期間」中の企業、109社に
プライム28社・スタンダード52社・グロース29社。2025年3月の経過措置終了時点(259社)から大きく絞り込まれた。出典:日本取引所グループ
2026.01
2025年のMBOによる非公開化、過去最多の30件に
前年比7割増。上場維持コストの重さや株主との価格交渉の難航が背景。出典:大和総研
2025.11
全国「後継者不在率」、50.1%で7年連続改善
ただし依然として2社に1社が後継者未定。後継者候補の「内部昇格」が「同族承継」を初めて逆転。出典:帝国データバンク
2025.07
PBR1倍割れ企業、プライムで44%・スタンダードで59%
東証による資本効率改善要請から2年超が経過するも、割安な水準に据え置かれた企業は多く残る。出典:東証公表資料に基づく報道